【ニューヨーク=福山万里子】 米紙ウォールストリートジャーナル・アジア版は18日、「日本は律儀な社会主義へよろめきながら向かっている」(“Japan Stumbles Toward Honest Socialism”)と題した社説を掲載した。東京電力の原子力発電所事故に伴い、日本政府が13日に決定した損害賠償を支援する枠組みについて、のっけから
「東京電力を救済するなどという、徹底的な失策としか言えない政府のいかさま計画が、あたかも前向きなことだととらえられるのは、日本だけ」
と、痛烈に揶揄している。
同社説では、枝野幸男官房長官が13日の会見で、金融機関の債権放棄が前提としたことへ、政財界から戸惑いや反発が広がっていることを詳しく紹介。
「より市場主義経済の国では、もちろん東京電力には破産の道しか残されていない」
「ここまで大打撃を受けた会社が、問題を公正に解決するには、破産が最も信頼できる方法だと証明されている」
と主張している。
日本ではJALの例を出し、破産が極力避けられてきたが、
「そうした姿勢をこれまで良しとしてきた国民の間でも、東京電力のような企業リスクを、どのような社会主義的方法で受け入れるか、という公な議論は始まっている」
と説明。
その理由は、
「菅直人首相率いる民主党政権は、普通なら政権内部で行われる意見調整の能力がないため、こうした話し合いを公の場で行っているから」
だという。
「もし日本政府が、東京電力を破産させるという正しいことをしないのなら、少なくとも間違ったことを正しい方法で行っている(=公の場で協議しながら、東電救済を行う)」
と、最後は皮肉たっぷりに締めくくっている。