エンジェル投資家、日本へ助言 「成功のカギは情熱」

NY自宅でインタビューに応えるピーター・シャンクマン氏

【ニューヨーク=福山万里子】 ソーシャルメディア・マーケティング会社CEOとして様々なメディアに登場し、全米各地で講演会に引っ張りだこのピーター・シャンクマン氏が11日、ニューヨークの自宅アパートでThe Wall Street Newsのインタビューに応じた。

エンジェル投資家としての顔を持つシャンクマン氏は、震災復興に取り組む日本へ、次のようなエールを送った。

「僕が投資を決める基準は、どれだけスタートアップが(自分たちの製品やアイディア)に情熱を持っているかということ」

「情熱こそが成功のカギ」

以下、シャンクマン氏とのインタビュー全文とビデオ。

PART I 「9・11テロ後の教訓は、広告費を削らないこと」

  Q. 中小企業向けにコンサルタント業をされているそうですが、ビジネスの内容について教えてください。

「ソーシャルメディアを使ったマーケティング、広告の仕方について、中小企業に限らず、大企業向けにもアドバイスをしています。従来の広告媒体に加えて、YouTube、フェイスブックを使うことで集客効果が高める方法などです。」

  Q. 企業側はソーシャルメディアをどう受け止めていますか?

「特に中小企業にとって、ソーシャルメディアはコストをかけずに大衆とコミュニケートができるので、気に入られています。将来的に自社の製品を購入してくれそうな消費者と、簡単に繋がることができるのが魅力です。」

  Q. 日本の被災地では多くの中小企業が復興を目指していますが、何かアドバイスは?

「通常、企業は大災害に見舞われると真っ先にマーケティングや広告費を削ってしまいますが、9・11テロ後のニューヨークの例を挙げると、実はマーケティングや広告費を削らなかった会社の方が、生き残る確率が高かったという結果が出ました。同じ業界でもほとんどの会社が自粛すれば、おのずと声の大きい会社が目立ちます。きちんと広告を打ち、今自分たちが何をしているのかを世の中に訴えかける方が、結果的に立ち直りが早かったのです。」

  Q. 震災から2カ月経つが、できれば広告費を削らないようにと?

「もし可能ならそのほうがいいですね。お客さんに、自分たちの会社がまだちゃんとこうして存在しているんだと知らせるだけでも価値はありますよ。そうした活動がゆくゆくは経済全体の発展につながるのですから。」

PART II 「フェイスブックは、中身のあるアップデートがカギ」

  Q. 過去にフェイスブックの人気ページをビジネスとして売却した経験(※1)がありますね。

「フェイスブック上で、記者がネタ元のソースに連絡をとったり、その逆ができるようなグループページを立ち上げました。価値のあるものを創れば、皆が使いたがるという貴重な経験をしましたね。すぐにフェイスブック上ではスペースが足りなくなり、独立したウェブサイトとして発展したのです。ソーシャルメディアでは、とにかく利用価値のあるものを作ることが大切です。」

  Q. 日本ではフェイスブックがようやく広がり始めているところですが、これからフェイスブックでビジネスを考えている人へのアドバイスは?

「まずは自分のブランドを育てることが大切。フェイスブックは、そういう人にピッタリです。ただ、注意しなければならないのは、フェイスブックで訪れてくる人たちは、何か有利な情報を常に求めているということ。そのため、常に新しい情報を提供できることが大切です。せっかくフェイスブックでファンページを作っても、そのまま放置すれば何の役にも立ちません。実際、人々が求める情報を定期的にフェイスブック上で発信し、成功している中小企業はたくさんあります。充実した中身と情報、定期的な更新が理想ですね。」

  Q. 定期的とはどのくらい頻繁に?

「それはまちまちですが、『意味のある内容があるときに』というのが、大切ですね。無意味なことをアップデートし続けるくらいなら更新しない方がいい。」

  Q. ツイッターについてはどうですか?日本ではツイッターの方が人気です。

「ツイッターは即時性が強い。フェイスブックは長期間の関係を築くのに効果的ですが、ツイッターは、「今から3時間25%オフセールをやります!」というような、即時の情報拡散に向いています。特にアメリカでは、ツイッターを利用してるのはわずか4%なので、企業のブランド価値を高めたければ、フェイスブックの方が確実ですね。」

  Q. ツイッターはニュースの拡散に向いていると?

「ツイッターの速報能力はすごい。日本の地震のことも、ビンラディン殺害のことも、アメリカでも多くの人が最初に知ったのはツイッターでした。でも、長期的に顧客とのブランド価値を築いていけるのは、間違いなくフェイスブックです。」

PART III 「エンジェル投資に大事なのは、情熱が成功の秘訣と知ること」

  Q. エンジェル投資というものが、アメリカでどのように機能しているのか教えてください。

「エンジェル投資とは、ごく初期のスタートアップに少額の資金を投資することです。とても良いアイディアがあって、すぐにでも事業を始めたいというスタートアップに、将来性を見込んで投資するのです。もし成功すれば、それだけ多くのシェアを得られるというわけです。私もビデオ関連や地元の小売業者まで数社に投資しています。」

  Q. 投資を受けるスタートアップの成功の秘訣は?

「とにかく人に受け入れられるモノが提供できること。人々のニーズにあった商品(サービス)であることが先決です。誰も思いつかなかったような、でも必要とされる会社を立ち上げることです。それがさっきのHARO(※2)で、誰もそんなサービスが存在すると思ってなかった。そういうアイディアこそが成功の秘訣です。」

  Q. きちんと説明できることも重要?

「それはそうですが、逆に最良の商品は実は説明は10秒で済むモノですよ。例えばペーパータオルは、何かを拭き取ることができる、それだけで十分です。説明に30秒以上もかかるような会社であれば、今すぐもっと簡潔に説明できるようにしなければ。」

  Q. 投資家側が知っておくべきことは?

「私が投資を決めるときは、良いビジネスプランと人の良さを見るのも大事ですが、何より情熱を重視します。CEOを筆頭にトップ陣が全員その会社に情熱を注いでおり、ついこちらが応援したくなるほど情熱的であること。とにかく、良い人材が集まっていて情熱的であること、これにつきます。」

  Q. 情熱的であるほど成功する?

「そう、情熱的なほど成功する確率は高いですね。HAROをやっているとき、本当にそう感じました。毎日24時間とにかく寝ても覚めてもHAROのことにかかりきりになってましたから。そこまでできれば、きっと成功しますよ。」

※1-フェイスブック上で立ち上げたジャーナリストのための人探しツールサイト「Help A Reporter Out」(HARO)を、2010年6月にPRマネジメント会社Vocus Incへ売却。

※2-※1のサイト名。

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