東電株主総会、米英3紙の反応 -「原子炉内で死ね」発言に言及

【ニューヨーク=福山万里子】 28日に開かれた、福島第一原発事故後初めての東京電力株主総会について、米ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、英フィナンシャルタイムズ各紙はそれぞれ記者を派遣し、6時間以上に及んだ総会の内容を報道した。3紙とも全て、2人目に質問した一般株主の、「原子炉内で死ね!」発言を紹介し、9309人の株主が詰めかけた会場の異様な雰囲気を伝えた。

ウォールストリートジャーナル紙は、「原発危機で株主が東電に喝(Shareholders Slam Tepco on Crisis at Nuclear Plant)」という見出しで、集まった株主らの東電への怒りを表現。「東電幹部へ切腹を要求した株主もいた」、と伝えた。

一方で、東電に同情的な株主もいたとして、「東電は国の原子力政策に従ってきただけ。責任は全国民にある」という埼玉県のノダ・ヤスオさん(60)の声を紹介。会場では、東電を応援する拍手もあったとし、「脱原発」を求める動議も、東電発表では89%が反対して否決したと伝えた。

また、東電が同日夜、水素爆発を防ぐために2号機原子炉格納容器へ窒素注入を始めたことにも言及し、来年1月までに危機を収束させたいという東電の目標にも触れた。

3紙中最も淡々と伝えたのはニューヨークタイムズ紙で、見出しでは「東電、株主からの脱原発要求を鎮める(Tepco Quells Push by Shareholders to End Nuclear Program)」とし、「法人株主らが東電側を支持しているため、最初から敗北の危機は全くなかった」と説明している。

その上で、前述の「原子炉内で死ね」発言や、声を震わせた女性株主が、「恥を知りなさい!」と叫んだことに言及。一番最後に質問した弁護士の紀藤正樹氏による、「(脱原発を否決するということは、)将来、もし再び原発事故が起きたときは、あなた方に責任があることになるが、それでもいいのか?」という、発言も紹介した。

また、東電の株主総数は93万3000人で、金融機関が約3割、その他の法人株主は5%、海外の投資家が17%、一般株主は44%であることに触れ、機関投資家向けに株主総会の議案内容を分析する米Glass Lewis社が、「東電が汚名返上して再建を図るには、経営陣レベルから根本的な構造改革が必要」と、総会前にアドバイスを出していたと伝えた。

現在日本に54基ある原発のうち、すでに35基はメンテナンスなどのために停止しているとし、来年4月までに全基が稼働停止となる可能性も紹介。そのため、日本の電力会社は現在、天然ガスを買いに走っていると説明した。

「東電に向け怒りをぶちまけた(=ベントした)株主(Shareholders vent anger at Tepco)」という見出しを付けたのは、英フィナンシャルタイムズ紙。

総会での怒りの声を紹介するも、「法人株主が6割を占めるため、東電経営陣に批判的な勢力にとっては元々時間の無駄だった」、と伝えている。

「集まった株主の多くは老人」と説明し、「普通の会社ならとっくに倒産している」という元東電職員ミヤザキ・ユウゾウさん(77)や、「今回の事故で心が痛んでいる」という、サイトウ・ユウコさん(70)の声を紹介した。20年前から東電株を持っているというサイトウさんは、今回「脱原発」を訴えるために初めて総会に参加したという。

「普段は政治に関心のない株主たちがここまで怒りをぶちまけるということは、これまで日本で長年支持されてきた原子力推進の動きが、事故後いかに弱まっているかということをあらわしている」、と結論づけている。

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