「ソーシャルメディアを生んだ国」日本をもっと評価しよう

【ニューヨーク=福山万里子】 昨今のソーシャルメディアの上場ブームでは、大型IPOとして注目されたリンクトイン、ジンガやフェイスブックの巨額の資金調達など、アメリカでの話題ばかりが注目されがち。そんな中、「もっと日本やアジアのソーシャルメディアを評価すべき」という声が上がっている。米金融情報サイト「マーケット・ウォッチ」は5日、「ソーシャルメディアの将来は、始まったアジアにある」という寄稿記事を掲載した。

シドニーや東京のヘッジファンドでアナリストを務め、現在香港でベンチャーキャピタルを運営しているベン・ワイス氏によると、「アジアの大手ソーシャルメディア6社の収益は、アメリカの大手4社をあわせた5倍」、という。

確かに同氏作成の比較表を見ると、評価額700億から1000億ドルと言われるフェイスブック(Facebook)のユーザ1人当りの収益は2ドル86セント。対して、日本の大手SNSミクシィ(mixi)は、評価額こそ米ドルに換算して6億ドルだが、ユーザ当りの収益は9ドル6セント。フェイスブックの3倍だ。

人気の携帯ゲームサイト「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)においては、ユーザ1人当り51ドル35セントと、その収益はフェイスブックの18倍近くに跳ね上がる。同社の評価額は62億ドルどまりとなっているが、昨年アメリカのngmoco(エヌ・ジー・モコ)社を4億ドルで買収するなど、今後も海外で積極的に事業拡大を行うとみられ、「進化はこれから」と期待される。ソーシャルゲームの分野では、グリー(GREE)も今年4月、アメリカのオープンフェイント(OpenFeint)を1億400万ドルで買収したばかり。両社はともに海外での上場を狙っているとされる。

「ウォークマン、ディスクマン、パックマンを生んだ国」日本は、「3G(第三世代)携帯電話、マイクロペイメント(少額支払い)、アプリストアなどを、どこよりも早く取り入れた国の一つ」。「韓国と並んで、独自のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を生んだものの、自国以外では今ひとつ発展しなかった」ため、「フェイスブックなどに(グローバルな)マーケットシェアを獲られてしまった」という。

そうは言っても、日本でのフェイスブック普及率は未だに2.4%。これは、日本のネット利用者の9割が携帯ユーザという環境にもかかわらず、フェイスブックの携帯進出が遅れていることや、「ネット上での匿名性を希望し、趣味嗜好が多様な日本では、現行の万国共通方式では物足りなさを感じさせる」と分析している。

ちなみに、アジアで最もフェイスブックが普及しているのは、政治や宗教の自由があまりないブルネイの54%、とか。他にインドネシアやフィリピンでも、普及率は高いそうだ。

逆に、情報規制によりツイッターと共に事実上フェイスブックの利用が制限されている中国では、普及率は0.2%。その代り中国には、レンレンやチャーユアンなど、独自のSNSが利用者数を急速に伸ばしている。

日本や中国などすでにネット利用者の多い国において、まだまだユーザ数を伸ばせていないアメリカのSNSに、多大な期待は禁物。ということで、SNS発祥の地アジアから今後も目が離せない投資家が増えそうだ。

広告
カテゴリー: ニュース from US, IT ビジネス タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中