アリババ問題決着 ヤフーには不利な内容か

アリペイ事業の移動をめぐって、米ヤフー社と中国アリババ社、そして日本のソフトバンク社が合意に達した。

その内容は、今後アリペイ社が株式を新規公開(IPO)したり、換金性のある事象が発生した場合には、アリペイ社からアリババ社に20〜60億ドル(=約153〜460億円)が支払われる、というもの。また、アリババ社は一定の知的財産と技術の使用を許可し、ソフトウェア技術の提供をする。

この合意についてヤフーのCEO、キャロル・バーツ氏は「ヤフーとその株主にとって良い結果となった」とコメントを出し、ヤフー株も一時、6%の値上がりを見せた。

しかし、これは本当に「良い結果」だったのだろうか?

問題の発端はアリババ社のCEO馬雲氏が、アリババ所有のオンライン決済会社アリペイを、自らが経営する全くの別会社にヤフーの承認を得ないまま移してしまった事だった。馬雲氏によると、現在、その別会社の37.5%はアリババの所有になっている。(事業が移動される以前は、100%アリババの所有)そしてヤフーは、アリババの43%を所有する。

今回の合意に基づくと、アリペイが株式を新規公開したり、売却される事になった場合、アリババ社が得るのは最大で60億ドル。極端な話として、アリペイが1000億ドルで売却されてもこの金額に変わりはない。本来なら375億ドルがアリババに渡るべきでも、だ。一方、馬雲氏はアリペイを62.5%しか所有していないにも関わらず、94%にあたる940億ドルを手にする事になる。

また、アリペイのIPOや、換金性のある事象が発生する可能性についても不安が残る。10年、あるいは20年先の話になるかも知れないのだ。

ウォール街関係者は今回の合意を、「(ヤフー社にとって)何も無いよりマシだが、素晴らしいとは言い難い」と評している。交渉が、馬雲氏側に有利に運ばれたのは明らかだからだ。

一応の解決を見たものの、両社のCEOの間には、大きなしこりが残ったようだ。合意について説明するためのアナリスト・コールには、キャロル・バーツ氏、馬雲氏ともに応じていないという。

(志茂真奈美)

中国アリババ社とトラブルで 米ヤフー株が続落中 ソフトバンクも (5/13/2011)
アリババ社の馬雲氏、ヤフー問題「楽観視している」 (6/2/2011)

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アリババ問題決着 ヤフーには不利な内容か への3件のフィードバック

  1. ピンバック: 米ヤフー社のキャロル・バーツCEOが、電話一本でクビに | The Wall Street News

  2. ピンバック: アリババ馬雲氏、米ヤフー買収は実現するのか | The Wall Street News

  3. ピンバック: グーグルがヤフー買収を検討中? ディスプレー広告に興味 | The Wall Street News

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