アリババ馬雲氏、米ヤフー買収は実現するのか

馬雲氏はヤフー取得に意欲的   (Image:Wikimedia)

【ニューヨーク=志茂真奈美】 米ヤフー社の買収に興味を示していた、中国アリババ社CEOの馬雲氏。水面下での交渉はすでに進んでいるようだが、買収実現には、実は大きな壁が立ちはだかっている。

米経済ニュースサイト、ビジネスインサイダーによると、馬雲氏は、ヤフー前CEOキャロル・バーツ氏の解任後、1週間後には渡米し、そのまま滞在を続けている。本人曰く「休養中」だそうだが、ヤフー買収話をまとめる目的を兼ねているのは明らかだ。

米ヤフー社の最も価値ある資産は「アリババ社の140億ドル相当を所有」しているという事だ。そう考えれば、馬氏がヤフー取得に意欲的なのは当然の事かも知れない。事実、馬氏はすでに買収資金も調達ずみという。

しかし、中国のインターネット産業に詳しいライター、ビル・ビショップ氏はビジネスインサイダーの取材にこう語る

「馬雲氏がヤフーを取得することはあり得ない。ヤフーは、何百万にも上る米国人のメールアドレス、ネットの使用状況、クレジットカードによる支払いデータといった個人情報を持っている。斜陽とはいえ、ヤフーはまだまだ米国の象徴的なインターネット企業。現在の政治状況で、米国議会や対米外国投資委員会やCEIUS(対米外国投資委員会)が、中国企業による買収をすんなり認めるとは考えにくい。馬雲氏がアリペイ問題に対して行った釈明を思い出してみるといい。彼自身、支払いに関するデータは『国家安全保障』に関する問題だと明言していた」。

「例え、ヤフーを運良く取得したとしても、運営していくのは別の問題。米国のユーザが果たして、中国の運営する会社に気持ちよく個人情報を扱わせる事が出来るのか。ライバル企業にとっては、ヤフーのシェアを奪ういいチャンスになる」。

「買収は、シルバー・レイクなど米投資会社らとの共同でなら、あり得るかも知れない。しかし、馬氏の所有権は中国やアジア関連の資産に限られ、米国内の資産に関しては無いに等しいだろう」。

ヤフーのようなポータルサイト等を運営する大手インターネット企業は、個人情報の宝庫でもある。ヤフー社を買収するという事は、この膨大な個人情報を手に入れる事に等しく、単なる企業売買とは全く違った性質を持つ。米政府が慎重になるのは当然の事だろう。

それに馬氏は、ヤフーがアリババの40%を所有するにも関わらず、「中国には中国のやり方がある」と、中国内の法律を盾にヤフーの意向をことごとく無視し続けた人物。とすれば、例え彼がヤフーの所有権を持ち、経営に関して何かを主張しても「アメリカではこういうやり方はしない」と一蹴されても文句は言えないのではないだろうか。

いずれにせよ、馬雲氏のヤフー買収は、一筋縄ではいかないようだ。

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