全米で「最も無駄な」高給取りCEOは?

【ニューヨーク=福山万里子】 米国大企業のCEOといえば、やり手の高給取りというイメージが定着している。だが、果たして本当に、株主が満足するほどの業績をあげ、年収に見合った働きをしているだろうのか?

シスコシステムズのジョン・チェンバースCEO (Image: Wikimedia Commons)

米ビジネスニュースサイト24/7 Wall St.は20日、高給取りの米企業CEOの年収と、その企業の株価の推移を比べるという、ユニークなランキングを発表した。調査対象となったのは、全米で最も年収の高いCEO上位100人。基本年俸の他に、キャッシュボーナス、ストックオプション、年金、退職給付金など全てを合計した2010年度の年収と、その会社の2010年から現在までの株価の推移を比較している。

それによると、「最も無駄な」高給取りCEOワースト1位は、IT機器開発大手シスコシステムズ(Cisco Systems、本社カリフォルニア)のジョン・チェンバース氏。2010年度の年収は、1880万ドル(約15億円)だったが、同社の株価は前年比31.4%も下がってしまっている。世界市場のトップを誇る、本業であるルータの製造販売に比べ、無線LAN機器、ビデオ会議サービスなど、多角化した部門が伸び悩んでいると指摘されている。

ワースト2位は、石油・天然ガス探査のサンドリッジ・エナジー(SandRidge Energy、本社オクラホマ)CEO、トム・ワード氏。年収2175万ドル(約17億円)に対し、同社の株価は前年比22.4%下げてしまった。これまで天然ガスを中心に事業展開してきたが、近年天然ガス価格の下落が続いているため、重点を油田資産へ移行させている最中。必要とはいえ、29億ドル(約2300億円)の投資は、やはり頭が痛い。

3位は、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock、本社ニューヨーク)の、ローレンス・フィンクCEO。年収2384万ドル(約18億円)をもらっているが、同社の株価は17.9%下がっている。世界的な信用不安を免れた数少ない金融機関ではあるが、あまりにも規模が大きすぎるために、どうしても市場の動きに左右されてしまう、というのがその理由。フィンク氏はいまや、ゴールドマンサックスのCEOよりも年収が高いと言われるが、投資家の大半が痛手を負っている昨今、「自分だけ貰いすぎなのでは?」という声があるという。

残りのランキングは、以下の通り。

  • 5位 ウィリアム・スワンソン氏 (軍需製造、レイシオン、Raytheon)
  • 8位 ケヴィン・シェアラー氏 (医薬品製造・販売、アムジェン、Amgen)

昨今のウォール街占拠デモなどで、米国における格差社会の象徴として、「高給取りCEO」への風当たりは強くなっている。「成果主義」と言われる米国だが、役員報酬のあり方には常に疑問の声がつきまとう。1年という短い間の業績だけで、その人の能力すべてがわかるわけではないが、常にそれだけ厳しい評価に耐えていくのが、真の企業トップのあり方なのかもしれない。

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全米で「最も無駄な」高給取りCEOは? への1件のフィードバック

  1. ピンバック: スティーブ・ジョブス氏の報酬は、年間たったの1ドルだった | The Wall Street News

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